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No729神武東征(178)  神武天皇(121) 奥津鏡・辺津鏡(17) [日本大好き]

前回に続いて、もう一度、淤能呂嶋ができるまでの様子の原文の読み下し文を記します。
於是天神諸命以。詔伊邪那岐命伊邪那美命二柱神。修理固成是多陀用幣流之國。賜天沼矛而。言依賜也。故二柱神立【訓立云多多志】天浮橋而。指下其沼矛以畫者。鹽許袁呂許袁呂迩【此七字以音】畫鳴【訓鳴云那志】而。引上時。自其矛末垂落之鹽。累積成嶋。是淤能碁呂嶋【自淤以下四字以音】

倉野憲司氏・岩波文庫出版翻訳本・『古事記』に拠りますと、
ここに天つ神諸の命もちて、伊邪那岐命、伊邪那美命、二柱の神に「この漂へる國を修め理り固せ成せ。」と詔りて、天の沼矛を賜ひて、言依さしたまひき。故、二柱の神、天の浮橋に立たして、その沼矛を指し下ろして畫きたまへぱ、塩こをろこをろに畫き鳴らして引き上げたまふ時、その矛の末より垂り落つる塩、累なり積もりて島と成りき。これ淤能碁呂島なり。
 
 上にある原文をどのように読み下すかは、これしかないように思います。問題は、この読み下し文をどのように翻訳するかと云うことになります。
 
そうしますと、倉野憲司氏が翻訳された通り、天つ神の神々から「この漂へる國を修め理り固せ成せ。」と云われた通りに、伊邪那岐命、伊邪那美命の二人は、どこにあるか判りませんが、天の浮橋のところに立って、天つ神から貰った天の沼矛を下の方(日本書紀に書かれてあることから判断すると 海) に下ろして、その海をこをろこをろとなるまで、書き回し、引き上げたら、その矛の先から、塩が落ちました。その塩が積りつもって島ができ、その島を淤能碁呂島と名付けました。

 問題は、天の浮橋がどこに在るかと云うことです。 この橋は、天つ神が造った橋でもなく、天孫族の誰かが造った橋でもありません。高天原にあると思われる橋だと思います。 この橋は、どの歴史家でも、天上に在るとされていますが、例えば、富士山よりも高い所でしょうか。 そんなに高い所から、天の沼矛を海まで、下ろしたことになります。それほど長いものであれば、天の沼矛を使って、海を書き回すことなど出来るでしょうか。
 その海水の付いている天の沼矛をどうして、引き上げたのでしょう。 日本書紀を作ったひとも、いくら想像力を逞しくしても、古事記に書いてあることが理解出来なかったと思います。
 そこで、古事記以外に、10冊もの資料がありますと、書き並べました。
 この日本書紀を読んだ人は、いっそう、話が複雑になって、理解出来なくなったと思われます。
 
 この古事記に書いてあることは、実際の話ではなく、世界中にある神話と同様で、全く信用ができないですよと思わせるに充分な作品として完成させたと思います。
 と云うことは、天皇家が、昔から続いている由緒ある人達ではないということを強調したと考えます。
古事記を書いた太安万侶は、完成した日本書紀をみて喜んだといます。何故なら、意味がわかれば、古事記は焚書にあい、一冊も残ることはなかったと思われます。

では、この部分をどのように解釈しますと、太安万侶は喜んでくれるでしょうか。 次回に。

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